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2008-03-23

小論文キーワード☆人権その2

人権

[知識]日本国憲法が保障する基本的人権は人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果である(97条).そこで,基本的人権とは何かを明らかにするためには,人権宣言の歴史的流れを押さえる.

① 貴族の特権から個人の人権へ→ジョン・ロックの社会契約説@

人権思想はイギリスで最初に登場した.1215年のマグナ・カルタ@である.これは国王に対して,貴族が身分の特権の保障のためにつくった憲法である.

さらに1628年の権利請願,1689年の権利章典などが歴史上重要な位置を占める.だが,これらは個人の人権というよりは,封建的な身分の特権を保護するものであり,

近代的な個人の人権へと成長するには,ジョン・ロックの自然権思想,社会契約説の登場が必要だった.

 ジョン・ロックは1689年に「自然権,契約による政府,抵抗権の保障」をワンセットにした
立憲主義@の考え方を示した.

 一切の政治権力が存在しない自然状態では全ての人間が平等である,と考えたロックは,人間が生まれながらにして持っている生命・自由・財産に対する権利を「自然権」と呼んだ

(この考えが,1776年のアメリカ独立宣言@に引き継がれ,生命・自由・幸福追求の権利として保障され,日本国憲法13条@にも引き継がれている).

だが,統治者のいない自然状態では紛争が起きてしまい自然権を守るのが難しい.そこでこの自然権をより確実なものとするために,市民が相互に社会契約を結び政府に権力の行使を委任した.ところが,契約によって成立した政府が,必ずしも国民の生命・自由・財産を守ってくれるとは限らないため,権力を恣意的(しいてき・自分勝手)に行使して国民の権利を不当に制限する場合には,国民は政府に抵抗する権利,つまり抵抗権を使って新しい政府を樹立できるとしたのである.
 こうして,18世紀末の市民革命(1776年のアメリカ独立宣言や1789年のフランス人権宣言)により,個人の人権という考えが生まれた.          

② 自由権から社会権へ→ワイマール憲法@

人権の中身をみると19世紀は自由権が中心だった.これは当時の人権宣言が絶対王政からの解放を目的としていたことによる.国家からの自由を保障し,消極国家という国家観に基づき,国家はできるだけ介入しないほうが人権保障になると考えられていた.

しかし,20世紀になると,資本主義経済の矛盾が露呈し,社会的・経済的弱者の救済を救うために,国家が積極的に介入していくほうが望ましいと考えられるようになった.そのため自由権だけでなく社会権まで保障されるようになった.
その契機(けいき・きっかけ)となったのが1919年のドイツのワイマール憲法で,世界で初めて「社会権」を保障した.

「人間たるに値する生活」(151条)「所有権は義務をともなう.その行使は同時に公共の福祉に役立つべきである」(153条)という規定である.

③ 法律による保障から憲法による保障へ→ナチズム@・ファシズム@

19世紀になると,ヨーロッパの国々では法律による権利の保障という考え方が有力になる.議会がつくった法律によって行政権から国民の人権を守るという考え方である(形式的法治主義)
民主主義が発達してくると議会に対する強い期待が生まれてきたのだ.
また表現の自由を中心とする精神的自由が保障されるようになっていたことも大きい.しかし,議会(立法権)に対して裁判所が歯止めをかけるという発想(違憲立法審査権)がなかったため,ナチズムやファシズムを生み出し,そのことに対する強い反省から戦後のヨーロッパでは,形式的法治主義ではなく,立法権からも人権を保障しなければならないと考えるようになった.つまり憲法による人権保障が謳(うた)われるようになったのである.

一方アメリカにおいては,そもそも独立の当初から議会への不信が根強かったため,法律からの人権保障,つまり憲法による人権保障の考え方が定着していた.
かつて,イギリスの植民地時代だったアメリカは,イギリス議会の植民地政策に対する反発から独立したという経緯からもわかるように,イギリス議会に対する不信というのが根本にある.
アメリカでは,議会に対していかに歯止めをかけるかという考えが当初からあった.
議会とホワイトハウス(行政府)を対等の位置づけにして(例えばアメリカの大統領には議会がつくった法律を拒否できる強い権限=拒否権がある)たとえ議会がつくった法律でも憲法に違反する場合には効力を否定する違憲立法審査制を判例上認めて確立した(明文上の規定はない).
このように,アメリカでは憲法により立法権からも人権を保障しようという考え方が早くから確立していたのである.
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プロフィール

鶴丸強

Author:鶴丸強
青山学院大学国際政経学部卒業。猪木正道教授に師事。大学卒業後ソニー株式会社に入社、人事部にて、給与・労務・勤務管理・採用面接等、全般に携わる。

その後独立し、大学受験を目指す高校生・高卒生を対象に、現代文・小論文・社会人基礎力を教える予備校講師、及び、大学生、大学院生を対象とした就活指導にあたる。

AO入試合格後の高校生対象に、12回の講義で毎年2月開催の簿記3級を取得させる講座および、ディズニーやマクドナルド等高校生にもおなじみの企業の財務諸表の読み方を教える「社会人基礎力講座」が大好評!

現場経験に基づいたわかりやすく面白い楽習指導により、13年間で約1600名の高校生・高卒生・社会人のエントリーシート添削と面接指導にあたる。テーラーメイドの志望理由書作成と面接指導により、毎年高い合格実績を出し続ける。社会人基礎力養成講師。簿記講師。

「読み書き簿記を義務教育期間で完全マスター」をスローガンとして、震災後の日本再生を教育面から行い、知的武装集団を輩出し続けてゆく。

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